クレヤボヤンス 日記 > No. 004


クレヤボヤンス
# 004 ライフ侍 02/04/10


 友だちに子どもが生まれたりして。

 僕もいい年ですから。
 こんな時にどうすればいいか、なんてことは勉強済みなんです。
 いっしょに喜んで、ただ祝ってあげればいいんです。


 ( 元気に生まれて良かった )


 まっとうに育つ。 すべて、うまくいく。
 そう思うのだが。


 たとえまっとうに育っても、この世は闇です。
 全人類は不安と恐怖に支配されて生きてるじゃないですか。
 新しい生命は、荒波を乗り越えていかなきゃならんワケですよ。

 その荒波がつらいとか、そういう話じゃないのよ。
 愛する者がその荒波を越える、その姿を見るハメになる のがつらいじゃない。


 生きてると、いろいろありますよね。


 理不尽な暴力におびやかされ、傷つけられたり。
 耐えがたい屈辱を受けることもあるし。
 自分の能力の限界に愕然とすることもある。
 寝てはいけない場面で、睡魔と闘わなくてはいけない。
 おなかが鳴れば恥ずかしい。
 シャンプーしてると後ろに誰かいるような気がする。

 僕はいい。 僕自身はいい年だから、恐怖や苦しみをどうにか処理する。
 僕だって、痛みが走ると叫ばずにはいられないけれど、
 まあそれでも、僕のことはなんとかなるんです。



 でも、自分の子どもが苦しんだり戦ったりする姿を見るのは、
 どうも僕には耐えられそうにないのだ。



 友よ、お前は平気なのか?
 そんな心配のタネを抱え込んじゃって。

 どんなに愛しても、子どもの熱を下げてやることは出来ないのだよ?
 どんなに愛しても、切りすぎた前髪を元に戻してやることは出来ないのだよ?



 俺はそんなのに耐える自信が無いぜぇ。
 大切な人には、いつでもニコニコしていてほしい。
 たのしい国でホカホカごはんをおいしく食べていてほしいのだ。
 俺は、ごはんの上に焼きタラコを乗っけてあげる手間も惜しまない。
 ニコニコしていてほしい。 いつだって。 エニタイム。


 愛する者が苦しむ姿を見るってのは、本当につらいと思うよ。
 僕は、ちょっとそういうのに耐える自信はないっすよ。
 皆さんは、だいじょうぶですか?
 ( こんなことを言っている僕はだいじょうぶか? )



 僕はそんな心配をしているから、友だちにおめでとうと言えないでおります。



 赤ちゃんが、今はまだ誰も気づいていないけど、なんか才能とかあって、
 錬金術師とかになって、人生を楽勝で過ごしてくれればいいなと、思うよ。
 そうじゃなきゃ、同情の必要も無い、非道きわまりない人間に育ってほしいよ。

 心配いらねえもんな、そんな奴だったら。

 なんかオレ、そんな彼女が欲しいな。



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