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ペドロ・アルモドバル監督と 映画 『 セクシリア 』
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今回は僕の一番好きな映画監督、ペドロ・アルモドバル監督のお話。
笑いと感動を芸術的な構成で調和させる人。
まさに天才 ( だと思う ) 。
*ペドロ・アルモドバル監督
世界的に高く評価されている名監督で、最近は日本でもファンが増えたようだ。
スペインの監督さんで、元漫画家 (だった気がする) 。
彼の中期の作品は衣装にゴルチエを起用するなど 「極彩色の映像」 として有名。
最新作は昨年日本でも公開された 『 ライブ・フレッシュ 』 。 いい映画。
ところでアルモドバルは、ゴルチエのほかにマドンナとも友達なんだってさ。
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何年か前の話だが、レンタルビデオのアルバイトをしていた時に 『 Kika 』 というタイトルのビデオが目に止まって、
「たしか、この映画のCMってエロっぽかったよな……」
と思って借りたのがアルモドバル作品を見始めたきっかけだ。
( 実際は全然エロってなかったが )
* 『 Kika 』 ( キカ )
ひょっとすると、アルモドバル映画で一番有名な作品かも。
問題のCMは、鍵穴から女の着替えをのぞいてる感じの映像だった(うろ覚え)。
ポップでカッコイイCMだったのだが、それを 「 エロってる 」 と思ったワシは精神が病んでいるのだろうか。
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この監督の中期までの作品は、真面目なのか冗談なのか分からない映画が多い。
「恋する女の気持ち」 をテーマに盛り上げるのかと思ったら、 「犬なみに鼻がいいホモ」 が登場したりする。
しかも 「鼻のいい男(ホモ)」 を演じているのは今をときめく アントニオ・バンデラス。
*アントニオ・バンデラス
ラテンづらの名俳優。 最近では 『 マスク・オブ・ゾロ 』 が有名か (ワシは観てないが)。
アルモドバルは 「マドンナと友達」 だが、バンデラスは 「マドンナをふった男」 らしい。
バンデラスの 『 マンボ・キングス 〜わが心のマリア〜 』 (マイナー) はつまらなかったなぁ。
『 フォールームス 』 もつまらんと思う。 これはタランティーノのせいだな。
『 デスペラード 』 のオープニングはカッコ良かった。 ロス・ロボスの音楽があってこそだけどね。
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何ゆえこれほどの大物俳優が、ヘンテコリンな役を……と思ってしまうのだが、若い頃のアントニオ・バンデラスはアルモドバル監督の映画で
「ホモ」 ・ 「超能力者(ホモ)」 ・ 「レイプ犯罪者」
などを好演し、その後ハリウッド進出を果たしたのである。
アルモドバルに育てられたっちゅうわけですな。
『 セクシリア 』
日本で観られるアルモドバル作品のなかでは一番古い作品。
* 『 セクシリア 』
今回はなんとなくこの映画を取り上げたが、同監督の作品のなかでは評価が低い映画である。
どうせ観るなら、面白い系なら 『 神経衰弱ぎりぎりの女たち 』 。
感動系なら 『 ライブ・フレッシュ 』 ( ←ビデオ化されたかな?まだかな? ) がオススメ。
個人的に一番だと思うのは 『 グロリアの憂鬱 』 である。
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若い頃のアントニオ・バンデラス 、この 『 セクシリア 』 でもホモを演じている。
(その後もアルモドバル映画で2〜3作、ホモを演じているが、それはおいといて)
この映画、当初はビデオ化されていなかったので
「マイナーな作品だし、日本にいたんじゃ一生お目にかかれんな」
と思っていたのだが。
数年前、バンデラス人気が上昇してきた時にあっけなくビデオ化された。
役者の名前で稼ごうというビデオメーカーの魂胆が丸見えである。
無名な頃のバンデラスがわき役で出ているだけなのだが、パッケージには
アントニオ・バンデラス
と、タイトルの次にデカい字で書いてある。
日本のアルモドバルファンは ミーハーなバンデラスファン(←失礼)に感謝したはずだ。
某書籍で 『 セクシリア 』 というタイトルを知ったときから、
「 せくしりあって何のこと? 」
という疑問を抱いていたのだが、これは主人公の女性の名前であった。
本名 「セクシリア」 愛称 「セクシー」
もはや人智を越えた設定としか言えまい。
この映画、監督が若かったせいか、主題が定まっておらず、終盤に至ってはドタバタコメディの様相さえ呈している。
しかし僕はバカっぽい映画も好きだし、監督へのヒイキもあって、まあまあ楽しんで観た記憶がある。
もっとも、この映画の最大のみどころはドタバタの部分ではないのだ。
みどころは 監督本人が率いるバンドのライブシーン。 これです。
アルモドバル監督は、実際にバンド 「アルモドバルとマクナマラ」 を結成し、ちゃんと音楽活動もしていたらしい。
『 セクシリア 』 を観る以前、監督の音楽活動を確かめる手段がなかった僕は、その情報をもっぱら書籍から得ていた。
ところが 不可解 なことに
僕が映画関係の書籍を読むたび、このバンドの説明が変わっているのだ。
ある本では 「ポップ・グループ」 なのに
別の本では 「パンク・ロック・グループ」 と説明されている。
( パンクロックはポップに含まれるわけか……。 フム )
しばらくは、この 「おやつとバナナ」 のような理論によって音楽に疎い自分を納得させていたのだが、映画 『 セクシリア 』 で監督自身のライブを観たとき全ての謎は解けたのだった。
( ジャンル分け出来ない音楽……! )
あえて分類するなら、「 スペイン風パンク数え歌 」。
僕が 世界で一番好きな映画監督 ( ←いい年のおっさん ) なのに。
顔にペイントをほどこし、ハンパな女装(?)で熱唱。 動きもアブナイ。
横のメンバーは白ぬりにサングラスで絶叫。 しかも数え歌。 トホホ。
* 謎の音楽
「 ♪ワン……ワン・プラス・ワン! 」 からはじまる謎の名曲。
ちなみに 『 ワン・プラス・ワン 』 はゴダール監督の映画のタイトルだな。
僕のバイト先の先輩は 「♪セブン……セブン・アップ!」 の部分を高く評価していた。
ワシもスペイン語が分かればもっと面白いだろうに、残念である。
「 ♪テン…… 」 まで行ったあと、
「♪あたしをしゃぶって・あたしをしゃぶって……ディナーの後も・ディナーの前も……」 と続く。
「♪あんたを求めて下水道に降りた・ねずみが愛してくれたわ……」
トホホホホ。 多くの人間を泣かせる映画を作ったこの人は……いったい何を言ってるんでしょう。
歌詞はもうちょっと長いので紹介しませんが、貴方の想像以上に良い曲です。
詞だけではなく曲もすごいので、興味を持たれた方はぜひビデオ屋へ。
勇気を出して、店員さんに 「 セクシリアありますか? 」 とたずねましょう。
人生ロックですよ、実際の話。
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「 アルモドバルとマクナマラ 」 = 映画に出てきた監督本人とそのバンド
……と決まったわけじゃないんだけど。 音楽性にそう違いは無いと思われる。
僕は、心から尊敬する監督の領域に少しでも近づこうと思い、何度もビデオを巻き戻して、このシーンを鑑賞したのである。
僕にとっては、ありがちなハリウッド映画を1本観るよりも、この数十秒のライブシーンを観るほうがはるかに価値がある。
僕の大好きな監督は、音楽の分野でも天才的だったのだ。
( というか、ヘンテコリンだったのだ )
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